セグメンテーションとターゲティングのやり方|3つの実例で「切り方」の本質を解説
「セグメンテーションとターゲティングが大事だとは分かっている。でも、実際にどうやればいいのか分からない」
マーケティングの研修や書籍でSTPを学んだあとに、こうした感覚を持つ方は少なくありません。用語の定義は理解できる。でも、自社の商品やサービスに当てはめようとすると手が止まってしまう。あるいは「30代女性」「中小企業」といった属性でターゲットを絞ってみたものの、それがマーケティング施策にうまく接続できない——そんな経験はないでしょうか。
この記事では、セグメンテーションとターゲティングの「正しいやり方」を、ニトリ×無印良品・スターバックス×ドトール・MonotaROという3つの実例を通じて解説します。
結論から言うと、多くの人がつまずく理由は「属性(年齢・年収・企業規模)で切ろうとしているから」です。セグメンテーションの本質は属性を分類することではなく、「購買文脈(シーン)」を切ることにあります。この視点の転換があれば、自社でも使える分析ができるようになります。
本記事は、マーケティング研修・事業開発支援を手がけるFIXITが、コンサルティング現場での知見をもとに執筆しています。
「やり方を知りたい」のに、なぜ解説記事を読んでも使えないのか
多くの解説が「定義と分類の紹介」で止まっている
ネットでセグメンテーションのやり方を調べると、必ずといっていいほど次のような構成の記事にたどり着きます。
- セグメンテーションとは市場を細分化することです
- 分類軸には地理的変数・人口動態変数・心理的変数・行動変数の4つがあります
- ターゲティングでは自社が狙うセグメントを選びます
- 〇〇社はこのセグメントを狙って成功しました
この流れ自体は間違っていません。しかし読み終えたあとに「で、自分はどうすればいいのか」が分からない。それはなぜかというと、「結果としてどのセグメントを狙ったか」は書いてあっても、「なぜその切り方をしたのか」「どうやってその切り方にたどり着いたのか」が書かれていないからです。
この記事が伝えること
この記事では以下の3点を、具体的な事例を通じて伝えます。
- 属性ベースの切り方がなぜ機能しないのか(限界と反例)
- 本質的な切り方とは何か(購買動機×価値観、購買動機×業務構造)
- 実務での使い方(概念軸→代理変数→行動データの3ステップ)
セグメンテーションとターゲティングの基本
本題に入る前に、用語を簡単に整理しておきます。
STP分析とは
マーケティング戦略の基本フレームワークとして「STP分析」があります。
| 頭文字 | 意味 | 問い |
|---|---|---|
| S:Segmentation(セグメンテーション) | 市場を細分化する | 市場にはどんなグループがあるか? |
| T:Targeting(ターゲティング) | 狙うグループを選ぶ | 自社はどのグループに向けるか? |
| P:Positioning(ポジショニング) | 競合との差別化軸を定める | そのグループに、どんな価値を届けるか? |
この3つは順番に行う必要があり、セグメンテーションの精度がその後のすべての精度を決めます。
なぜ「正しく切る」ことがそんなに重要なのか
ターゲットの切り方が変わると、商品・価格・販売チャネル・広告(いわゆる4P)がすべて変わります。逆に言えば、切り方が間違っていると4Pが空回りし、どれだけ施策に投資しても刺さらないという状態になります。
「誰に向けるかが決まっていないのに、どう伝えるかを考えようとしている」——これがマーケティングで最もよく見られる失敗パターンです。
【浅い切り方の限界】年齢・年収で切っても機能しない理由
やりがちな属性ベースの切り方
ターゲットを考えるときに最初に思いつくのが、次のような属性による分類です。
- 「30代女性」
- 「年収500万以上の世帯」
- 「従業員50人以下の中小企業」
- 「製造業」
一見それらしく見えます。しかしこれで「ターゲットを絞った」と思っていると、施策が機能しません。
反例:同じ属性の人が全く違う選択をする
具体的な反例を考えてみましょう。
「年収700万の40代男性管理職」というセグメントを想定します。この人は毎朝ドトールで200円のコーヒーを飲み、週に一度スタバで600円のラテを飲みながらPCで作業します。引っ越しのときはニトリで家具を一気に買い、こだわりのキッチン用品は無印良品で選びます。
つまり、同じ属性の一人の人間が、複数のブランドを場面によって使い分けています。属性でセグメントを切った場合、この人は「スタバ向け」なのか「ドトール向け」なのか——答えられません。
【現場でよくある失敗例】
研修の場でターゲット設定を発表してもらうと、「30代〜40代の管理職男性で、意思決定権を持つ方」といった定義が頻繁に出てきます。これは「誰の財布から買ってもらうか」という観点では正しいのですが、「なぜ自社を選ぶのか」という観点が抜けています。属性が合っていても、そのシーンで自社が選ばれる理由がなければ購買には至りません。ターゲットの属性と、ターゲットが自社を選ぶ理由は、別の問いです。
属性は「相関」であって「理由」ではない
属性で切ることが完全に無意味なわけではありません。「スタバのユーザーには20〜30代女性が多い」というのは統計的な事実です。しかしそれは「20〜30代女性だからスタバを選ぶ」のではなく、「スタバが狙っているセグメントの人に、20〜30代女性が多かった」という順序です。
属性は行動の「結果としての相関」であって、行動の「理由」を説明しません。セグメンテーションで切るべきは、属性ではなく行動の理由です。
【深い切り方①:BtoC】購買動機 × 価値観で切る——ニトリ×無印良品の場合
ニトリと無印、同じ市場なのに全てが違う

「家具・生活雑貨」という同じ市場に存在するニトリと無印良品は、商品・価格・店舗立地・広告コピーのすべてが真逆と言えるほど異なります。
| ニトリ | 無印良品 | |
|---|---|---|
| 価格 | 圧倒的低価格(SPA製造で徹底的にコスト削減) | カテゴリ内では中〜やや高め |
| 店舗 | 郊外ロードサイドの大型店(車で家族で来て一気に揃える) | 都市部の駅ビル・商業施設(電車で一人来る) |
| 広告 | 「お、ねだん以上。」価格と品質のギャップを正面から訴求 | キャッチコピーをほぼ使わない。ロゴも最小化 |
なぜこれほど違うのか。それはそれぞれが、異なるセグメントを狙っているからです。
「生活を整えたい×実用主義」vs「自分らしさを表現したい×ミニマリズム」
BtoCのセグメンテーションでは、「購買動機(このシーンで何を解決したいか)」×「価値観(その人が何を大切にするか)」という2軸で切ることが有効です。
| ニトリが狙うセグメント | 無印が狙うセグメント | |
|---|---|---|
| 購買動機 | 生活を整えたい。コストは最小化したい | 自分らしい空間を作りたい。モノを選び抜きたい |
| 価値観 | 実用主義。機能が価格に見合えばそれでいい | 審美的ミニマリズム。少ないモノを、意味のあるモノだけ持つ |
| インサイト | 「生活費を抑えながら、暮らしをちゃんと整えたい」 | 「モノを減らすことで、自分の価値観を空間に表現したい」 |
この切り方をすると、「年収700万のニトリユーザー」も「年収280万の無印ユーザー」も、それぞれのインサイトで動いていることが自然に説明できます。
【講師の視点】
「購買動機×価値観」という軸は、最初はピンとこない方が多いです。そこで私が研修でよく使うのが「あなたが最後に大きな買い物をしたとき、何を一番気にしましたか?」という問いかけです。「価格が最安かどうか」を最も気にした人と、「自分の好みに合うかどうか」を最も気にした人では、同じ商品カテゴリでも全く違う選択をします。このように、「何を最適化しようとしているか」がセグメンテーションの本質的な切り口です。
同じ人がニトリも無印も使う理由——セグメントは「人」ではなく「購買文脈」を切る
ここで重要な視点の転換があります。「私はニトリも無印も両方使う」という方は多いはずです。これは矛盾でも例外でもありません。
| シーン | そのときの心理・動機 | 選択 |
|---|---|---|
| 引っ越しで大型家具を一気に揃えるとき | コスパを最大化したい。機能が合えばいい | ニトリ |
| 週末に部屋の雰囲気を少し整えたいとき | 自分が好きなものだけを置きたい。空間に意味を持たせたい | 無印 |
同一人物が複数の購買文脈を持つのは当然のことです。だからこそ、2社は同じ市場で共存できます。
セグメンテーションの本質的な定義はこうです。
セグメントとは「同質のニーズを持つ人の集まり」ではなく、「同質のニーズが発生する文脈(シーン)の集まり」である。
マーケターが狙うのは「この人」ではなく、「この人が、このシーンで感じるニーズ」です。
【深い切り方②:BtoC応用】
スタバ×ドトールで「シーンの使い分け」を理解する

ニトリ×無印の構造と全く同じ原理が、スターバックスとドトールの関係にも当てはまります。
| スタバが狙うセグメント | ドトールが狙うセグメント | |
|---|---|---|
| 購買動機 | 自分だけの時間を豊かに過ごしたい。作業・読書の場所が欲しい | 休憩・移動の合間に手早くコーヒーを飲みたい |
| 価値観 | 空間・体験・ブランドに価値を感じる。「ここにいる自分」を大切にする | 実用主義。コーヒーはコーヒー。余計なコストは要らない |
| インサイト | 「コーヒーを飲む場所ではなく、自分がいる時間を選んでいる」 | 「おいしいコーヒーが安く手早く飲めればいい」 |
スタバが座席をゆったり配置するのも、ドトールが駅ナカの小型店舗で回転率を重視するのも、それぞれが狙うセグメントの合理解から逆算されていることが分かります。
4Pがセグメントの定義から整合的に導き出されているとき、その切り方は「機能している」と言えます。逆に言えば、自社の4Pを見たときに「誰のどのシーンに向いているか」が説明できない場合、セグメントの定義がまだ浅いサインです。
【深い切り方③:BtoB】業務の構造合理性で切る——MonotaROの場合
BtoBは「価値観」ではなく「購買業務の構造」で切る
ここまでBtoCの事例で「購買動機×価値観」という軸を見てきました。BtoBのセグメンテーションでは、この軸の「価値観」の部分が変わります。
BtoBでは、企業の担当者が「自分の好み」で購買を決めることはほぼありません。「この購買業務で何を最適化すべきか」という合理判断が購買を決めます。したがって、BtoBでは「購買動機×購買業務の構造的制約」で切るのが適切です。
「不定期・少量・多品種」という誰も取れていなかった空白
工場・建設現場・自動車整備工場などで使われる消耗品・工具・部品の市場(MRO市場)は、日本で5兆円規模と言われています。しかしMonotaROが登場する2000年以前、この市場を十分にカバーできているプレイヤーはいませんでした。
BtoB MRO市場の購買行動を規定する要因は2軸に整理できます。

軸1:購買の計画性・ボリューム
– 計画的・大量:需要予測が可能。供給側も在庫準備・価格優遇ができる
– 不定期・少量:需要予測が困難。供給側は在庫負担が重く、後回しにされやすい
軸2:必要品目の幅
– 少品種集中:特定の業者で完結する
– 多品種分散:多数の業者と取引が必要で、購買業務負荷が大きい
この2軸でマトリクスを作ると、どのプレイヤーが何をカバーしていたかが見えてきます。
| 少品種・特定品 | 多品種 | |
|---|---|---|
| 計画的・大量 | ①商社・卸(ライン主要部品) | ②アスクル・商社(オフィス・研究所消耗品) |
| 不定期・少量 | ③訪問工具商(専門品・相談が必要な品) | ④構造的空白(誰も十分にカバーしていなかった) |
④「不定期・少量×多品種」のセグメントが空白だった理由は、従来の供給モデル(人的営業+地域密着+特定品目)と構造的に噛み合わなかったからです。訪問営業員1人がカバーできる顧客は30〜50社が限界であり、少量・不定期の発注に在庫を用意する経済合理性もなかった。
MonotaROの通販モデルは、この構造制約を正確に解消しました。
| ④の構造制約 | MonotaROの解 |
|---|---|
| 地理的分散 | ネット通販+全国物流で地理に依存しない |
| 少量・不定期 | 自社在庫+ドロップシップで吸収 |
| 多品種 | 700万SKU・1,700サプライヤーとの提携 |
| 購買業務負荷大 | 一物一価+検索+カタログで自己完結 |
| 少量ゆえの価格不利 | PB開発・直接仕入・営業員ゼロでコスト圧縮 |
なぜ同じ中小企業でもMonotaROを選ぶシーンと選ばないシーンがあるのか
「MonotaROは中小企業向け」とよく言われますが、これは正確ではありません。同じ中小製造業の社長でも、次のように複数チャネルを使い分けています。
| シーン | 選ばれるチャネル | 合理判断の理由 |
|---|---|---|
| 今すぐ切れた工具を補充したい | ホームセンター | 「今すぐ現物」が最合理 |
| 機械の専用部品を型番特定から任せたい | 訪問工具商・部品商 | 「相談・型番特定を人に任せる」が最合理 |
| 月次の手袋・ウエス・オイルをまとめて補充 | MonotaRO | 「透明価格+ワンストップ+翌日配送」が最合理 |
MonotaROが狙ったのは「中小企業」という属性ではなく、「この人の、この購買シーン」でした。BtoBでも、セグメントは人ではなく購買文脈を切るという原則は変わりません。
実務でのやり方——概念軸・代理変数・行動データの3ステップ
ここまでの事例で「購買文脈で切る」という発想は理解できたと思います。では、自社の戦略に落とし込むとき、具体的にどう進めればいいのか。実務では3つの層を使い分けます。
STEP1:概念軸を定義する(4P設計のロジックを決める)
まず「どんな購買シーンを狙うのか」を言語化します。ここで定義するのは、観測可能なデータではなく、行動の本質的な理由です。
- ニトリの場合:「生活費を抑えながら一度に生活を整えたい購買シーン」
- MonotaROの場合:「不定期・少量・多品種のMRO購買シーン」
この概念軸は、4P設計(どんな商品を、いくらで、どこで、どう伝えるか)の根拠になります。
STEP2:代理変数に翻訳する(市場規模を出し、最初の顧客にリーチする)
概念軸だけでは実務で使えません。「不定期・少量・多品種の購買をする企業が日本に何社あるか」は直接観測できないからです。ここで観測可能なデータに翻訳する必要があります。これを「代理変数」と呼びます。
| 業務局面 | 代理変数の使い方 |
|---|---|
| 市場規模(TAM/SAM)の概算 | 「従業員30人以下の製造業・建設業は何社あるか」→統計データで把握可能 |
| 初期顧客リストの作成 | 帝国データバンク・業種別名鑑などで「業種×規模」で抽出 |
| マス広告のメディアプラン | テレビCM・ラジオCMのターゲット設定は属性ベースのため、代理変数で指定 |
代理変数は「粗い網」です。概念軸との乖離(大企業の研究所も実はターゲットなのに、代理変数では取りこぼされる、など)は必ず生じます。それを承知の上で、初期段階の実装に使います。
STEP3:行動データで精緻化する(顧客が増えてからの改善)
顧客が一定数集まり始めると、実際の購買データが蓄積されます。「どの会社が、どの商品を、どの頻度で買っているか」というデータは、代理変数よりはるかに精緻にセグメントを捉えます。
MonotaROは顧客数の増加に伴い、購買履歴・検索履歴のデータマイニングによって業種別の需要予測を精緻化し、顧客ごとに最適なカタログを送付するようになりました。
鈴木社長(MonotaRO創業者)の言葉:「営業員が担当できるのはせいぜい30〜50社程度であって、ノウハウはそれぞれの営業員に帰属してしまう。MonotaROでは顧客数が増えれば増えるほど、むしろ商品提案の精度が高まる仕組みになっている。」
これは行動データが蓄積された企業だけができる戦略展開です。
| 時期・フェーズ | 使う層 | 具体的な施策 |
|---|---|---|
| 事業企画・戦略策定 | ①概念軸 | なぜそのシーンを狙うのか、なぜ勝てるのかのロジックを作る |
| 市場規模概算・初期顧客獲得 | ②代理変数 | 統計・名鑑から「業種×規模」で抽出、郵送・FAX・デジタル広告 |
| 既存顧客のLTV最大化・横展開 | ③行動データ | 購買履歴・検索履歴からニーズを把握し、レコメンドやCRMに活用 |
セグメンテーションの切り方が機能しているか確認する方法
セグメントを定義したあと、それが「使える切り方」かどうかを確認する方法が2つあります。
確認①:4Pがすべてそのセグメントに向いているか
商品・価格・チャネル・プロモーションのそれぞれを見たとき、「このセグメントの人に向けて設計されている」と言い切れるか確認します。
ニトリであれば、郊外大型店・低価格・コスパ訴求のコピー・まとめ買いしやすい品揃えと、4Pが全て「大型購入時のコスパ最大化」シーンに向いています。
一方、4Pが内部で整合していない場合(例:「体験価値を大切にするセグメントを狙う」と言いながら価格を最安にしている)は、セグメントの定義と施策がずれているサインです。
確認②:「このセグメントの人にだけ刺さる言葉」が作れるか
定義したセグメントに向けたキャッチコピーや価値訴求文を作ってみてください。「誰にでも当てはまりそう」な表現しか出てこない場合、セグメントがまだ大きすぎるか、浅い可能性があります。
- ニトリ「お、ねだん以上。」→「コスパを重視する購買シーン」の人には刺さる
- 無印「わけあって、安い。」(かつてのコピー)→「シンプルで誠実なものを選びたい人」には刺さる
- MonotaROのラジオCM(作業員が聞くタイミングを狙ったメディア選定)→「現場でMROを探している人」に届く
このように、セグメントが正確に定義されていれば、その人に刺さる言葉は自然と絞られてくるはずです。
まとめ——「誰に届けるか」より「誰のどのシーンに届けるか」
この記事で解説した内容を整理します。
- 属性ベースの切り方には限界がある。 年齢・年収・企業規模は行動の「相関」であって「理由」ではない。同じ属性の人が全く違う選択をすることは普通に起きる
- セグメントは「人」ではなく「購買文脈(シーン)」を切る。 同一人物が複数の購買文脈を持つのは当然であり、各チャネルはそれぞれのシーンを狙っている
- BtoCは「購買動機×価値観」、BtoBは「購買動機×業務の構造合理性」で切る。 どちらも「なぜそのシーンで自社が選ばれるのか」の理由を起点にする
- 実務では3層を使い分ける。 概念軸(4P設計)→代理変数(市場規模・初期獲得)→行動データ(精緻化)
セグメンテーションとターゲティングのやり方で最も重要なのは、「誰に届けるか」ではなく「誰の、どのシーンに届けるか」を問うことです。この問いを持てるようになると、自社の商品やサービスがどのシーンで選ばれるべきかが明確になり、4Pの設計が一本の論理でつながるようになります。
まず試してみてほしいのは、自社の直近の顧客を3〜5人思い浮かべ、「その人が自社を選んだシーンとは何だったか」を言語化してみることです。そこに、あなたの会社が本当に狙うべきセグメントのヒントがあります。
よくある質問(FAQ)
Q. セグメンテーションとターゲティングの違いは何ですか?
セグメンテーションは「市場をグループに分ける作業」、ターゲティングは「そのグループの中から自社が向かうものを選ぶ作業」です。セグメンテーションが地図を描くことなら、ターゲティングはその地図の中で目的地を決めることです。順番はセグメンテーション→ターゲティングであり、分け方の精度がターゲティングの精度を決めます。
Q. BtoBとBtoCでセグメンテーションのやり方は変わりますか?
変わります。BtoCでは個人の「価値観」が購買を強く規定するため、「購買動機×価値観」で切るのが有効です。BtoBでは企業担当者が業務合理性で判断するため、「購買動機×購買業務の構造(計画性・ボリューム・品目の幅)」で切るのが適切です。BtoCと同じ軸をBtoBに使おうとすると説明力が落ちます。
Q. 中小企業や小さなチームでもセグメンテーションは必要ですか?
むしろ、リソースが限られている中小企業・小さなチームにこそ必要です。ターゲットが絞れていないと、限られた予算と人手が分散してしまいます。「全員に向けた無難なメッセージ」は誰にも刺さりません。セグメントを絞ることは、施策の効率を上げるための前提条件です。
Q. セグメントはどれくらい細かく分けるべきですか?
「このセグメントに向けた施策を、他のセグメントにそのまま使うと逆効果になる」というくらい明確に違いが出るまで細かくするのが目安です。細かすぎると市場規模が小さくなりすぎるため、自社のリソースで対応できる規模かどうかとのバランスが必要です。なお、セグメントの数よりも「1つのセグメントの定義の精度」の方が重要です。
Q. ペルソナとセグメントの違いは何ですか?
セグメントが「同質のニーズを持つ人の集合(グループ)」であるのに対し、ペルソナはそのグループを代表する「架空の一人」を具体的に描いたものです。セグメントを定義してからペルソナを作るのが正しい順序です。ペルソナだけ先に作ると、その人物設定が施策の根拠になってしまい、「その一人が好きそうなこと」に引きずられるリスクがあります。
Q. 「自社のセグメントが正しいかどうか」はどうやって確認すればいいですか?
2つの方法があります。①4Pがすべてそのセグメントに向いているかを確認する(商品・価格・チャネル・訴求が整合しているか)、②「このセグメントにだけ刺さる言葉」を作れるかを試す、です。「誰にでも言えそうな価値訴求しか出てこない」場合は、セグメントの定義がまだ広すぎるサインです。
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